CADMAC板金通信
CADMAC板金通信 #2
2026年5月
メールマガジン第2号は、製造現場で進むAI活用の現状と、キャドマックが目指す"現場に寄り添うAI"について、代表取締役社長がお伝えします。
― 変わり始めたものづくりの現場で、AIとどう向き合うか ―
株式会社キャドマック 代表取締役 髙垣内 昇
お客様にお目にかかったり、フィールドの技術・営業担当と話をしていると、ここ数年で製造現場での「仕事の質」が確実に変わり始めているのを感じます。単に図面やモデルを作って作業を進めるというよりも、「どう考え、どう判断するか」に時間と労力が割かれる場面が増えてきているようです。
こうした変化の背景には、新しいビジネス機会を模索し続ける経営が求められること、また、製造現場を支える人材や知識がこれまでのやり方だけでは維持しにくくなっている現実があります。その流れの中で特に注目されているのがAIという存在です。
製造業におけるAIの活用は、すでに特別なものではなくなりつつあります。設計、加工、品質管理、保全といった各工程で、人の判断を支え、作業を効率化し、知識を引き継ぐための道具として、AIが現実的な役割を持ち始め、少なくないポジションを占めるようになってきています。
キャドマックでは、6月にMACsheet BBXへAIヘルプ機能を搭載する予定です。このAIは、専門的な操作や特別な知識を前提としたものではありません。「この操作はどうやるのか」「次に何を確認すればよいのか」といったことを、自然な言葉で尋ねることで、操作方法や考え方を示してくれる。私たちは、そんな現場に寄り添うAI活用を目指しています。
BBXのベースとなっている3D-CAD「Solid Edge」を開発するシーメンス社でもCADを単なる設計ツールではなく、製品ライフサイクル全体をつなぐデジタル・スレッド(Digital Thread)の起点と捉え、その進化にAIを必要な軸として位置づけています。設計データを、次の工程へ、さらにその先へと動かす中核になるAI。その考え方は、すでにグローバルでは明確な方向性となっています。
一方で、国内の中小規模製造業では、人手不足や技術継承といった課題が年々深刻さを増しています。AIに興味はあるものの、「自社にはまだ早い」「どう使えばよいかわからない」と感じておられる方も多いのではないでしょうか。しかし私は今、AIをどう使うか以上に、AIとどう向き合うかが問われている段階に来ていると感じています。
AIは、人に代わるためのものではありません。人の判断を補い、経験を支え、知識を次につなぐための存在です。だからこそ、難解で敷居の高いAIではなく、日々の業務の中で「まず使ってみたくなる」形で届けることが重要だと考えています。
間もなくリリースされるBBXのAI機能は、その第一歩として、作業する方にとって新しい“相談相手”なるような存在になるはずです。操作に迷ったとき、より効率的な手順を知りたいとき、AIが次のヒントを示してくれる。そんな体験を、ぜひ多くの方に実感していただきたいと考えています。
全世界的なサプライチェーンの動向など、製造業を取り巻く環境が大きく変わる今、国内製造業がこれからの未来をどう描くかを考える、ひとつの重要な岐路にあたります。キャドマックはこれからも、現場に根ざした視点を大切にしながら、皆さまのものづくりを支える進化を、着実にかたちにしてまいります。
