BANKIN通信
BANKIN通信 #4
2026年7月
メールマガジン第4号は、SaaS(Software as a Service)とAIがものづくりの現場にもたらす変化、そしてキャドマックが目指す次世代のものづくり環境について、代表取締役社長がお伝えします。
― SaaSとAIが変える、これからのものづくり ―
株式会社キャドマック 代表取締役 髙垣内 昇
最近、SaaS(Software as a Service)について考える機会が増えています。
「SaaS」と聞くと、まだ新しい仕組みのように感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし実際には、私たちはすでに多くのSaaSサービスを日常的に利用しています。メール、オンライン会議、クラウドストレージ、グループウェアなど、今や仕事に欠かせないツールの多くがSaaSです。
私が営業マンとして最前線で仕事をしていた時代、電話以外での連絡手段はFAXが主流でした。図面を送るにも見積書を送るにもFAXを使い、送信後には電話で「届きましたか?」と確認していたものでした。しかし現在、その多くはメールやクラウド共有へ置き換わりました。「FAXのほうが安心だ」「メールは難しそうだ」と言われていたのも、もうすっかり一昔前の話になってしまいました。
私は、オンプレミス型ソフトウェアからSaaSへの移行も、それと同じ流れだと考えています。最初は戸惑いもあります。しかし数年後には、「昔はライセンスサーバーを管理していたよね」「バージョンアップに苦労していたよね」と振り返る時代になるかもしれません。
そして、その変化をさらに加速させているのがAIです。
近年、ChatGPTをはじめとする生成AIの急速な進化によって、AIはもはや一部の大企業だけのものではなくなりました。製造業においても、設計業務、生産管理、見積業務、営業活動など、さまざまな場面でAIの活用が始まっています。
実は、このAIと最も相性が良いのがSaaSなのです。
AIは常に進化し続けています。新しい機能やアルゴリズムが次々に追加され、その恩恵を最大限に受けるためには、ソフトウェアそのものも常に最新の状態であることが求められます。SaaSであれば、ユーザーは特別な作業を行わなくても最新機能を利用できます。AIの進化がそのまま業務改善につながるのです。例えば新人のCADオペレータが操作方法に悩んだ際、これまではマニュアルを探したり、ベテラン社員に質問したりする必要がありました。しかしAIアシスタントが身近な相談相手となれば、習得までの時間を短縮できるようになります。また、図面作成の自動化が進めば、設計者は単純作業に費やす時間を減らし、より創造的な設計や改善活動に注力できるようになるでしょう。
キャドマックはMACsheet BBXに独自のAIヘルプ機能を搭載し、すでにお客様にご案内差し上げました。また、BBXのベースとなっているシーメンス製の3D-CAD、Solid Edgeには AIによるアシスタント機能が様々追加され、AIと協働する設計作業が現実のものとなっています。
SaaSのメリットはAIだけではありません。
従来のオンプレミス環境では、ライセンスサーバーの管理、バックアップ運用、ソフトウェア更新、セキュリティ対策など、多くの維持管理業務が必要でした。SaaS環境になれば、ソフトウェアの配布や更新・ライセンス管理などをクラウドサービスとして提供されて、運用負荷の低減が期待できます。
特に人材不足が深刻化する中小製造業においては、「限られた人数でいかに高い成果を出すか」が大きな課題です。私はAIの本質は、人を置き換えることではなく、人の能力を拡張することにあると考えています。
優秀な技術者がもっと創造的な業務に集中できる環境を作ること。経験の浅い担当者でも一定レベルの成果を出せる仕組みを作ること。そして企業全体の生産性を向上させること。そのための有力な手段がAIであり、その基盤となるのがSaaSなのです。
キャドマックもこれから、お客様の設計・製造現場に寄り添いながら、SaaSやAIを積極的に活用した次世代のものづくり環境をご提案していきたいと考えています。
FAXがメールへ変わったように、ソフトウェアもまた新しい時代へ移り変わろうとしています。変化はときに不安を伴います。しかし、その変化を味方につけた企業が次の成長を実現していくのだと思います。
これからも、皆さまとともに新しい技術の可能性を探求し、ものづくりの未来を支えるパートナーであり続けたいと考えています。
今後キャドマックがお届けする、SaaSとAIの進化にぜひご期待ください。
